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キャビテーションとは

キャビテーション ( Cavitation )

キャビテーション  

  キャビテーション ( Cavitation )
         液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅
          が起きる現象。 空洞現象

JIS規格では
「流動している液体の圧力が局部的に低下して蒸気や含有気体を含む泡が発生する現象」
「水の流れによって、ある点の圧力が低下し、その部分の水がその水温で沸騰して水蒸気の泡を形成し、続いてこの泡が崩壊すること。」

例えば、
 1.吐出バルブが開く→ 流量が増える→ 流速が速くなる→ 吸込圧力が下がる
 2.吸込 配管が閉塞する→ 流路面積が狭くなる→ 流速が速くなる→ 吸込圧力が下がる
1・2のように局所的に吸込圧力が飽和蒸気圧を下回り、液が沸騰して泡が発生する現象です。
インペラーが泡の中を空転することになるので、効率などの性能が低下します。また泡が、物体表面で分裂する際に起きるジェット流が、エロージョン(壊蝕)の原因にもなります。 さらに泡が潰れるとき、微小ながら強い圧力波が発生し、騒音・振動の原因にもなります。

 エロージョン(壊蝕)
硬い物体に近い泡は、表面張力なども作用してその表面に張り付きます。ポンプでは多くの場合、インペラー表面に張り付くことになります。 圧力が高くなると泡は収縮・変形し、くぼみに圧力が集中します。このときジェット流が発生し、物体表面つまりインペラー表面に激突して、泡は分裂します。
これがエロージョン(壊蝕)の原因です。


 騒音・振動の原因
最終的には、周囲の圧力が飽和蒸気圧より高くなり周りの液体が泡の中心に向かって殺到し気泡は消滅します。 その瞬間、全方向からの流れが 泡の中心で衝突することになります。このときに発生する
圧力波が騒音・振動の原因 となります。
あまりに圧力が高い場合、ポンプそのものに穴があく
場合もあります。

キャビテーションが発生しているポンプの一番の見分け方は、 「バリバリ」「パリパリ」といった騒音です。

キャビテーション対策

  キャビテーションは
    1.十分にNPSH-Aの高い配管設計
    2.十分にNPSH-Rの低いポンプの選定
   によって、未然に防止することが基本ですが、     液中の固形分によって吸込配管が閉塞する     増産の為に流量を増やす     液温を上げるなどの要因で、
後から発生する場合も少なくありません。
    NPSH-AとNPSH-Rの差が1m未満である     流量が大きい     液温が高い
   など、キャビテーションの発生しやすい条件の場合は特に注意を払い、事前に対策をとることが重要です。

NPSH を劇的に改善するには
1.配管設計を変更する
2.ポンプの選定を変える
3.1・2の両方しかありませんが、膨大なコストがかかるため、非現実的です。
 そこで 材質を再検討してみましょう。    ケミカルポンプは、ゴムやテフロンなどの樹脂ライニング製品であるので、耐薬品性は高いのですが エロージョンには金属ほど強くないため、キャビテーションは最も避けなければなりません。
   チタンやハステロイ、ニッケルといった特殊金属は、
エロージョンには強いのですが非常に高価ですので、
ポンプ全体をこれら特殊金属で構成しようとすると、驚くような価格になってしまいます。
 ならば キャビテーションの影響を強く受ける部品のみ、エロージョンに強い材質に変更する。
例えば、インペラーのみをチタン製に変更してみましょう。
   ケーシング等の大きな部品  = 比較的安価なライニング製品を採用    インペラー等の苛酷な環境に置かれる部品 = 特殊金属を採用

このことによりキャビテーション対策を講じ、かつ耐久性と価格の両面において満足し得るポンプをご提案することが出来ます。

 新東洋機械工業の ゴムライニングポンプ(FMR型)・ テフロンライニングポンプ(FMP型) ハイブリッドポンプ(FHND型)は、ライン稼働後でも状況に合わせてポンプ型式及び据付寸法を変えることなくインペラーの材質を変更することが可能です。